
『戦争の中の〈美心〉ー版画家田川憲「上海日記」・木刻小報『龍』を読み解く』大橋毅彦著
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「長崎の版画家」田川憲が戦中に上海で残した日記と作品の数々が初めて読み解かれる。悪化する時局の中で、日本と中国の「版画的文化交流」に尽力した足跡は、芸術家と戦争の関わりの多面性を如実に伝える。
30年にわたり上海と日本文化を追い続ける編者が詳細に読み解くその〈美心〉のゆくえとは。
1939年の暮れから、1942年9月まで記された断片的な日記(影印)に加え、1941年に田川憲が設立した「上海版画協会」などの活動報告誌であるとともに恩地孝四郎、金子光晴、内山完造なども寄稿した幻の個人誌『龍』など、戦争と芸術の関わりを伝える貴重な記録を、170ページを超える充実した解説と注釈を付して届ける。
はじめにー芸術と戦争
1田川憲と長崎
2上海という舞台
3「上海にて」(「上海日記」)の構成
4第二次上海事変後の上海
5色事師の街への嫌悪
6表南洋への憧れ(1)
7表南洋への憧れ(2)
8支えとなる長崎の人たち
9長崎南山手の「ロシヤ寺」
10高井家兄妹との交流
11長崎時代の相棒たちのその後
12本の中で出会った西洋の美術家たち
13ヘッセの青春小説に親しむ
14火野葦平と横光利一
15美の故郷をグウルモン詩に見出す
16時代の暗流との遭遇ー耿嘉基という政治家
17楊樹浦の片隅で暮らす異国の人たち
18長崎でのロシア人とユダヤ人の記憶
19ロシア人タリアプコの荒い生き方
20『大陸新報』連載の「ルナール『葡萄畑の葡萄作り』より」
21『大陸往来』に掲載された作品
22個人版画誌『龍』
23上海版画協会の設立とそこに集った人たち
24興亜院華中連絡部とのつながり
25『興亜童謡かるた』の制作
26版画講習会々場となった上海青年館
27文化の戦争という側面
28魯迅と中国現代木刻
29田川憲の中国木刻批判(1)
30田川憲の中国木刻批判(2)
31田川の木刻作品「杭州紫来洞難民」
32〈難民〉を描くということ
33ちょん切られた首のある版画
34「江頭聞鶯」制作日誌と戦争の中の美
35〈美心〉の位相
36白い静物たち
37版画技法の向上をめざして
38「華中風物六景」の輪郭
39「弄巷夜景」に見られる紫のグラデーション
40「蘇州虎邱」から「長崎の庭(迎陽亭にて)」へ
41 戦(いくさ)に傾く心
42次なるステージへ
版画に念ずる心 田川俊
田川憲「上海日記」注釈 大橋毅彦
<資料編>
「上海日記」1939/12-1942/9 田川憲
個人版画誌『龍』1・2号 復刻版
あとがき 大橋毅彦
発行:琥珀書房
A5判 重さ 480g 336ページ
価格 13,200円(税込)
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